ソフトバンク、5年ぶり日本一奪還！

山川3発、歓喜の一撃で頂点へ――復活の2025年

2025年10月30日――福岡の夜空に、黄金の紙吹雪が舞った。
福岡ソフトバンクホークスが阪神タイガースを4勝1敗で下し、5年ぶりとなる日本一奪還。球団通算12度目、ソフトバンクとしては8度目の快挙を達成した。

ペイペイドームを埋め尽くしたファンの大歓声の中、主砲・山川穂高が放った放物線は、まさに復活の象徴だった。延長11回、均衡を破る勝ち越しホームラン。ベンチも観客席も総立ちとなり、選手たちは涙と笑顔で抱き合った。

開幕3連敗、4月最下位。誰もが「今年のホークスは厳しい」と口をそろえた。
しかし、チームは諦めなかった。
5月の交流戦で息を吹き返すと、6年ぶりの交流戦優勝。そこから快進撃が始まる。
若鷹たちが躍動し、ベテランが支え、7月末には首位に立つ。9月27日、ついにパ・リーグ制覇――そして日本シリーズへ。

指揮官・藤本博史監督は、優勝会見で涙をこらえながら語った。

「苦しい時期があったからこそ、今日の勝利がある。全員でつかんだ日本一です。」

日本シリーズ5試合で3本塁打を放ち、シリーズMVPを受賞したのは山川穂高。
移籍後、批判や重圧を受けながらも、黙々とバットを振り続けた。

「支えてくれた人たちに恩返しできた。このユニホームで笑える日が来て、本当に幸せです。」

彼の涙は、苦悩を乗り越えた男の証だった。

2025年は、ソフトバンクホークスとしての球団創設20周年。
「常勝軍団」と呼ばれた時代から一転、再建期を経て掴んだ栄光は、まさに“原点回帰”のシーズンだった。

スローガンは「ＰＳ！ピース！」
若手の台頭、助っ人陣の奮闘、ベテランの意地――そのすべてが一つに繋がった瞬間、日本一の笑顔が生まれた。

悲願を果たした今、ホークスに求められるのは“継続”だ。
藤本監督は試合後の胴上げ後、記者陣にこう言い放った。

「ここがゴールじゃない。ホークスの時代を、もう一度作る。」

再び黄金期を築けるか――。
2026年、常勝ホークスの再出発が始まる。

2025年のソフトバンクは、数字以上に“ドラマ”があった。
不振から這い上がり、チームが一つになるまでの過程こそが、真の勝因。
山川の一振り、小久保監督の思い、そしてファンの祈り――そのすべてが重なって咲いた「奇跡の金鷹」。
まさに日本野球史に残る一年だった。